会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのか

会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのか

「会社が倒産してしまった…これからどうしよう」

 

「会社が業績悪くて破産しそう…もし倒産したらどうなる?」

 

会社の破産・倒産は他人事ではありません。

 

 

実は私が勤めていた会社も給料日前日に倒産してしまい、全員一斉解雇になりました。

 

未払いの給料はどうなるのか

 

明日からどう生きていけばいいのか

 

会社が破産すると、どういった手続きが必要なのか、当日の従業員の雰囲気はどんなものなのか、なかなか体験することではないので、詳細にお話しします。

 

あわせて読みたい

会社が倒産すると、従業員がどう変化するのか。 皆さんは、見たことがありますか?   会社が倒産すると、何のしがらみもなくなるため、びっくりするほど人間の本性が表面に出てきます。 会社倒産を体験した筆者が、実[…]

会社倒産で本性を出す社員たち うわさが飛び交う裏側を語る

 

社内一斉放送で始まる給料日前日の朝

会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのか会社の倒産が告知されたのは給料日前日の朝です。

いつも通り出社して業務を進めていると、社長から突然の社内放送。

 

「皆さんに大切なお知らせがありますので、業務を停止して全社員、会議室に集まってください」

 

元々、会社の業績は悪かったので、この時点で「あ、来たか」と察しました。

 

 

全社員が揃ったところで、社長より

 

「業績悪化により、本日破産申請を行います。ついては本日15時をもって全員解雇となります。」

 

との宣告。

 

そのまま、破産の理由と弁護士(破産管財人)からの今後の説明がありましたが、元従業員は呆然と静かに聞くしかありませんでした。

 

正直、倒産というと、社長や役員に怒号が飛んだりというイメージでしたが、これまで社員の利益を優先した経営方針だったこと、業績悪化は社内共通の認識だったこともあり、逆に泣きながら土下座する社長に「お疲れ様でした」と拍手が起こるほどでした。

これはレアなケースだとは思います。

破産による解雇の手続き

会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのかここからは実際に私が経験した解雇の手続きについて説明します。

解雇通知書の受け取り

会社が倒産することにより、全員解雇となるため、解雇通知書と退職書類が渡されます。

 

退職書類にはサインと連絡先を書き、破産管財人(弁護士)に渡します。

ここで書いた連絡先は、後々、離職票等の書類や未払い賃金の連絡などに使用されます。

 

引っ越しなどで連絡先が変更される場合は必ず破産管財人に連絡!

解雇予告手当

本来であれば企業側が従業員を解雇する場合、1か月以上前に通知する必要がありますが、突然の破産の場合は、1か月分の給与と同等額が解雇予告手当として支払われます。

 

この解雇予告手当は退職所得となるので、確定申告の際は退職金として申請します。

私の会社の場合は役員が奔走したらしく、解雇予告手当は支払いがされました。

破産した会社から未払い給料はもらえるのか

会社が破産した場合、事業主に支払い能力がない為、それまでの賃金や退職金はもらえません。

 

その場合は「未払賃金等の立替払制度」によって、国が一部を立替払いしてくれます。

 

ただ、支払われるのは給料と退職金で、上限は8割です。

立替払の上限は下記となっています。

 

退職日における年齢 未払賃金等の総額
※①
立替払上限金額
(※①の80%相当額)
45歳以上 370万円 296万円
30歳以上
45歳未満
220万円 176万円
30歳未満 110万円 88万円

 

尚、破産管財人が債務整理をして、財産が確保された場合には、残りの2割が支払われますが、十分な財産の確保ができない場合、残額は支払われません。

後日郵送されるものの確認

会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのか倒産当日は離職に関する書類の準備ができていません。

ですので、今後、ハローワークや確定申告・健康保険の手続きで必要になる書類が送られてくるのか確認しましょう。

 

必要なものはこちらです。

  • 源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票
  • 離職票
  • 健康保険資格喪失証明書

 

雇用保険法によって、会社がハローワークに退職者の離職証明書を提出する期限は、退職日の翌日から10日以内と定められています。

ですので、書類が自宅に到着するのは通常10日前後です。

 

それを過ぎても、離職票が来ない場合、会社(倒産の場合は破産管財人)に連絡するか、ハローワークに相談しましょう。

10日以上、離職票が来ない場合は直接ハローワークで失業保険の手続きができる場合もあります。

 

詳細はこちらにまとめています。
会社が倒産・破産したら失業保険はいつから申請できる?

あわせて読みたい

大手の企業でも倒産の危機が危ぶまれる昨今。 リストラや経費削減が進み、「自分の勤務先が倒産したらどうしよう…」と考える人も少なくありません。 私自身、実際に業界トップクラスの会社で破産による会社倒産を経験した立場として、少しでも[…]

会社が倒産・破産したら失業保険はいつから申請できる?

会社支給品や健康保険証の返還

午前に破産の告知がされてから、15時の解雇時間までは、私物の整理や会社支給品の返却時間となります。

 

会社支給品とは、携帯電話やパソコン、社員証などの会社から借り受けているものです。

会社によっては告知されたそのタイミングから使えなく場合もあるので、日頃から携帯やパソコンの中身は整理しておいた方が良いです。

私用で使っていないと思いますが、もし私用で見られてはいけないデータなどが入っていた場合…想像できますよね?

なぜ当日の15時解雇だったのか

破産当日の朝に全社員に「本日15時をもって全員解雇」と告げられたのですが、その時間までは絶対に外部と連絡を取ってはいけない、電話にも出ない・来客にも対応しないこと…と指示が出されました。

 

どうして15時だったのかは理由があります。

 

それは銀行の営業終了が15時だから。

 

つまりは、解雇予告手当を従業員に支払うためです。

 

15時以前に破産することが銀行に伝わると、会社の口座が凍結され、解雇予告手当が社員に支払われなくなってしまうのです。

 

解雇予告手当は1ヶ月分の給料相当なので、給料自体が未払いとなった今、それがなければすぐに生活が破綻する従業員が出てきてしまいます。

そのため、15時までの規制線が張られたわけです。

 

せめて解雇予告手当だけは社員に支払いたいと奔走した社長をはじめ、役員達の気持ちは十分に伝わりました。

会社が破産しそうな予兆を感じたら

会社倒産の実体験 給料や退職金はどうなるのかどんな社員でも、会社が破産しそうな時は、何かしらの予兆は感じます。

 

例えば、

  • 大幅な予算削減
  • 備品購入が厳しくなる
  • 交際費が削減される
  • 役員会が頻繁に開かれる
  • 役員の顔が暗い
  • 派遣・契約社員が契約更新なし

などいつもと違う動きがあれば注意です。

 

倒産の予兆を感じられれば、転職エージェントに登録したり、コネで次の会社を早めに探したりすることができます。

 

実際に私も転職エージェントには登録していたので、再就職はスムーズに動くことができました。

もし「会社がそろそろヤバイ」「倒産してしまったけど、何をしていいかわからない」という方が、この記事を読んで、参考になれば幸いです。